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八丁味噌の故郷で育む、生命力溢れる大豆 小久井農場社長小久井孝幸さんインタビュー

稲垣腸詰店

自然の恵みが詰まった、 健康な土が育む大豆。

岡崎市を中心に、点在する農地はおよそ300ha。小久井農場では、広大な土地で大豆を中心に米や野菜を栽培している。中には、後継者不足などから農家の手が回らなくなった休耕地を委託されて、大豆などを栽培しているケースも少なくない。

社長の小久井孝幸さんによると、大豆は6月の梅雨時に種をまくため、天気との勝負を強いられるのだとか。また湿気に弱く、水がたまると根腐りしてしまうという繊細な作物であり、収穫時期が12月なので、台風の被害も受けやすい。荒天や病気に負けない強い作物を作るため、小久井農場では木炭、もみがら、海藻、卵の殻など20種類以上の材料を配合した独自の堆肥で、水はけが良く、やわらかくて根が張りやすい「健康な土」づくりに取り組む。

手間も時間も、何倍も要する栽培方法にこだわる理由について孝幸さんは、「従来通りの肥料を使った土で栽培したこともあったのですが、成長していく作物の力強さや、できた作物の味わいが全然違ったんです」と実感を込めて話す。より生命力に満ちた、濃厚な味わいの大豆を育てるため、夏には一斉に丈を刈り、上へと延びて行く栄養成長を生殖成長へと転換し、大地のエネルギーを実へ凝縮させる。

自然環境に大きく左右されるこだわりの栽培方法だが、土の改良を重ね、ph値を逐一調べて成分を調整するなど、徹底した管理でこだわりの大豆を安定供給する。また、地元企業の「岡崎産の大豆で八丁味噌を」との声に応え、江戸時代から八丁味噌に使われていたという在来種、矢作大豆の栽培にも力を注ぐなど、郷土食の継承にも積極的だ。

稲垣腸詰店

後継者育成にも積極的、 農業のあり方を発信する。

2013年春には直売所をオープンし、秋の収穫祭をはじめ、夏祭り、冬の餅つき大会など季節ごとにイベントも開催。

「本当においしい農作物の味を知ってもらい、ファンになってほしい」と、地元の人との交流も大切にしている。
さらに、農家を志望する若い人材に土地を貸し出し、農業指導を行うなど後継者育成にも積極的。地元の企業と連携して、新商品の開発も手掛けるなど、活動の幅は多彩だ。

「自分たちの世代が、日本の農業の新しい形、道筋のようなものを確立していかなければ」と熱く語る孝幸さん。
次世代へつなぐ農業の姿を、岡崎から発信している。

オーナーの稲垣雄三さん
「人の顔が見える農業を」という会長の小久井正秋さんの思いから、2013年春にオープンした直売所。
小久井農場産の米や大豆の量り売り、加工品、地元産の野菜や果物などを販売。小久井農場産の大豆を100%使用した味噌や豆腐、納豆なども好評。

小久井農場直売所(http://kokui-farm.hp4u.jp

岡崎市岡町下権現36-1
TEL/ 0564-53-5625
営業時間/9:30〜18:00 ※11〜3月は〜17:00
定休/水曜、お盆、年末年始 http://kokui-farm.hp4u.jp
アクセス/ 東名高速 岡崎ICより約10分

◎text by 花野静恵 ◎photo by 竹内秀実