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河内啓(かわちけい)【岐阜県土岐市】 必然的な機能美と、自然を感じさせる味わいを。

理想のイメージを形にするために試行錯誤

会社員から一転。土岐市へ移り、陶芸家に。

もともとは美大を目指していた、河内 啓さん。一度は夢を諦め、一般企業に就職した彼だが、地元・静岡市で陶芸家の平嶌康正さんとの出会いをきっかけに陶芸の道を志すことになったという。

「やっぱり産地で勉強した方がいい。やる気があるのなら受けてみたら?」という一言に触発され、一念発起。愛知県瀬戸市の養成校に1年通い、その後、岐阜県土岐市駄知町の窯場で約6年経験を積んだのち、陶芸家として独立した。土岐市内に自身の窯を持ってから、14年が経つという。日本でも有数の窯場として知られる、土岐~多治見エリアには、多数の作家が住んでおり、同志たちとの交流は、よい刺激となり、活動のモチベーションアップにもつながっていると話す。

「東京で活躍する先輩たちからも多くいて、僕自身も関東方面での展示が多い」と河内さん。ライフスタイル提案型のセレクトショップなどでも取り扱われる彼の作品は、実に現代風の面持ちで、若者にも人気なのだという。しかしながら、単に流行に乗ったとは言えない、独特の深みも併せ持つ。そこには、どんな想いが込められているのだろうか。

窯を開けた瞬間に喜びも苦しみもある

現代版にアップデートされた「民藝」の精神性。


民藝運動の第一人者・柳宗悦らが提唱した、その概念を自身のルーツとして据える、河内さん。機械的に生み出された工業製品にはない、機能美を追求した職人技の精神性を、彼は現代版「民藝」としてアップデートしていく。「柳宗悦の想いはもちろん根本にありますが、その概念を現代人の生活に見合う形に昇華してこそ、真の民藝であると思っています。」作品性を前面に押し出した強烈な個性は、機能美には不必要だ。しかし、単に無駄を削ぎ落としただけではない味わいが作品に残っている。



彼が作品に込める想いはもうひとつある。「陶器は、自然と人間の仲介役である」というものだ。ざらっとした土の感触や、釉薬が自然と流れたままの部分を残し焼き上げることで、もともとは自然の一部であったことを感じさせるような粗さが、隠し味となっている。機能美とにじみ出た個性が調和する河内さんの作品には、確固たる「民藝」の信念が宿っているようだ。

 

プロフィール

河内 啓(かわちけい)
陶芸家。1967年、静岡県静岡市生まれ。1991年、株式会社TKC入社。1999年、愛知県立窯業高等技術専門校卒業。2002年、岐阜県土岐市鶴里町に築窯。2012年、萬古焼きコンペ審査員特別賞受賞。2014年、「クラフト・センター・ジャパン」Cマークに選定
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